キミは今、何をしているの?
今、何してる?
『すぐに戻ってくるから』
そう言ってルキアがソウル・ソサエティに戻ってから一週間が経つ。いつもなら二、三日で戻ってくるのに、今回は長いみたいだ。
三日前『緊急の任務が入ったので帰るのが遅くなる』と、たまたま現世に任務で来ていた恋次から伝言してもらった。
任務だから仕方ないとは思う。思うけど………
「寒い………」
コーヒーの入ったマグカップを持って、俺は部屋に入る。
ここ二、三日の間に秋が深まり、朝晩冷え込むようになった。暖房を入れるまで寒くないので、コーヒーで体を温めようと思った。
一口啜ってマグカップを机の上に置いて、俺は読みかけの雑誌を手にとってベッドに寝転ぶ。
パラパラと雑誌を捲り、コーヒーを飲もうと机に向かって手を伸ばした。
『よくそんな苦いモノが飲めるな』
ふと、ルキアが言っていたのを思い出した。
前に俺から一口と言って飲んだコーヒーが苦かったらしく、飲んだ直後に「不味い」と言い放った。
『私はココアの方が好きだ』
ルキア用に俺が作ったココアを飲みながら、俺がコーヒーを飲むのを眉間に皺を寄せながら見るルキア。
俺に言わせたら『よくそんな甘いモノが飲めるな』だ。
チョコの味に似てるけど、飲むにはちょっと辛いものがあった。小学生の頃は飲んでいたけれど。
そういえば、おふくろが生クリームをたっぷり入れたココアをよく作ってくれた。凄く甘くて美味しかった。
「ルキア…今、何してるんだ?」
生クリームたっぷりのココアを作ってやるから。だから早く帰ってこいよ。
早く……お前に逢いたい。
『気をつけて行ってこいよ』
一護に見送られてソウル・ソサエティに戻って一週間が経つ。いつもなら二、三日で帰るのだが、今回は少し長引いている。
緊急の任務が入って帰れそうになくなったので、ちょうど現世に任務で行く恋次に『帰るのが遅くなる』と伝えてもらった。
任務は大事だ。仕方ないと思う。だけど………
「あと少し……」
筆を置いて、お茶の入った湯呑みを手に取る。
任務は無事に終わり、後は報告書を書いて隊長に提出するだけだ。
一口啜って湯呑みを机の上に置き、報告書の続きを書くために再び筆を取る。
しばらく書き進め、お茶を飲もうと湯呑みに手を伸ばした。
『よくそんな甘いモノが飲めるな』
ふと、一護が言っていたのを思い出した。
どうしてもコーヒーは苦手で、ココアを飲んでいた私の横でそう呟いた一護。
『コーヒーの方が飲みやすい』
言いながらコーヒーを飲む一護を、私はココアを飲みながら眉間に皺を寄せて見ていた。
私に言わせたら『よくそんな苦いモノが飲めるな』だが。
コーヒーにミルクや砂糖が入ってるなら問題はないのだが、ブラックとやらはどうしても飲めない。
同じ『苦い』でも、緑茶の苦さとは全く違う。別次元だ。
「一護…今、何をしておる?」
貴様が作ったココアが飲みたい。早く帰りたい。
早く……貴様に逢いたい。
ほんの少しキミに逢えないだけで、こんなに寂しいとは思わなかった。
やっとこお題更新です;;;
「今、何してる?」は珍しく対になってます。最初は一護視点。次にルキア視点。
お互いがお互いを思ってる…お話にしたかったので、対にしてみました。
ちょっと難しかったですが(o´ω`o)
こんなに短文なのに、完成に二週間以上かかるというこの遅筆ぶり;;;泣きそうです。
途中、浮気とかするからいけないんですよね。反省してます。
次もできるだけ早く更新したいな…と思ってます☆ …できるかな?
up 09.10.27