恋をしているとは思っていた。でも、愛してるかどうかはわからなかった。
恋と愛との曖昧な境界線
「朽木さんと黒崎って、付き合ってるけど、何か仲のいい友達って感じが強いよね」
昼休み。織姫たちクラスメイトと一緒に昼食をとっていたルキアは、千鶴に突然言われて目を瞠った。
「ちょっと!千鶴!!何言ってんのよ、アンタ!朽木さんに失礼でしょうが!!」
「千鶴ちゃん。朽木さんと黒崎くんはとっても仲が良いよ。全然友達なんかじゃないよ」
千鶴の爆弾発言に、一緒に昼食をとっていたたつきと織姫が反応し、慌ててフォローする。他に一緒に食べていたみちるはオロオロし、鈴はそんなことを気にすることなく弁当を食べ続けていた。
ところが、失礼なことを言われて怒っていいはずのルキアは、何も言わず、口元に手を当てて考え込んだ。
「ホラ!千鶴!!朽木さん、落ち込んだじゃない!謝りなさいよ!!」
「朽木さん、大丈夫だよ。私はちゃんと二人は付き合ってるって思ってるよ」
「あ……ごめん、朽木さん。気にしちゃった?」
ルキアの反応に、たつきと織姫はさらに慌てる。さすがの千鶴も、自分の発言がルキアを傷つけてしまったと思い、謝る。
しかしルキアは、織姫たちをさらに困らせるような発言をした。
「私と黒崎くんって、何なんでしょうね………?」
『啓吾たちにゲーセン行こうって誘われたから………』
HRが終わって帰り支度をしていたルキアに、一護は申し訳なさそうに言った。ルキアは別に気にするなと言って、先に教室を出た。
正直、今日千鶴に言われたことが気になって一人で帰りたいと思っていたルキアには、一護の申し出は願ってもないことだった。
一人、家に帰りながらルキアは思う。私と一護は何なのだろう………と。
先程それを言った後、織姫たちがそれは困った顔をしていた。彼女たちもどう答えていいかわからなかったのだろう。悪いことをしたな…とルキアは思った。
一護のことは『好き』だ。織姫にも、他の誰にも渡したくないと思っていた。想いが通じた時は、もう死んでもいいと思ったくらい幸せだった。
しかし、付き合い始めたからといって、今までと関係が変わったかといえば、そんなことはない。以前と変わらず学校生活を送っている。
唯一変わったことといえば、以前は人前で一緒にいるのを嫌がっていた一護だったが、今では常にルキアの側にいる。一護の変わりっぷりに水色はかなり驚いていたくらいだ。
それでも側にいるだけで。気心のしれた石田や織姫の前だとケンカは絶えないし、クラスメイトの前でも以前と同じような態度(一護曰く、ミス猫かぶり)で接してしまう。
確かに「これで付き合っているのか?」と言われてもおかしくはない、とルキアは思った。
「好きなのだがな………」
ルキアはポソリと呟いた。
一護と一緒にいるのは楽しい。何より一緒に過ごすだけで、今まで感じたことがない程幸せを感じている。この幸せを、一護を手放したくないとルキアは思っている。
そもそも、ルキアがそんな感情を持つこと自体、奇跡に近いことなのだ。一護に出逢うまで、ルキアは感情を押し殺して生きてきたのだから。
恋次はルキアが処刑を免れ、一護たちを見送ったあの日、ルキアに「やっと元のお前に戻ったな」と言った。
それを聞いた時、「元の自分」とは何だとルキアは疑問に思った。だが、その疑問はすぐに解決された。
破面との戦いに備えて現世に戻った時。一護に会って、話して、口げんかして………あの日々を思い出した瞬間、これが本来の自分だとルキアは思った。
朽木家に養女に入る前。恋次たちと過ごした日々。毎日が楽しかった。貧乏でも毎日が輝いていた。
しかし、朽木家に迎えられたあの日から、笑うことを忘れてしまった。毎日が苦痛でしかたがなかった。
笑うことを思い出したのは、あの一護と過ごした数ヶ月。偽りの日々と言い聞かせながらも、幸せだと思っていた。
あの日々がなければ、今自分はこうして過ごすことはできなかっただろうとルキアは思う。笑うことを忘れたまま、一生を終えていたかもしれない。
一護を『好き』だと思うようになったのは、そのこともあるのだと思う。
だが、『好き』という感情はあるのに今までと関係が変わらないのは何故だろう…
千鶴に言われたことは、以前から疑問に思っていたことだったので、他者から見ても、自分たちはそういう関係にしか見えないのだなと改めて思ったくらいだった。
「一護と付き合っているように見えないのは、私が迷っているからだろうか………?」
ルキアはハァ…と溜息をついた。
「愛しているのか?黒崎一護を」
そうルキアに尋ねたのは義兄である白哉だった。
一護と付き合うことになったということを、義兄である白哉には伝えておいた方がいいだろうと一護に言われ、ソウルソサエティに戻った時にルキアは白哉にそれを伝えた。
その時に白哉に尋ねられたのだ。
「愛してるか…と言われましても。この前から付き合い始めたので、何と言ってよいか………」
慌てて答えたルキア。そんなルキアに白哉は再び質問した。
「好きなのか?」
それにはルキアはすぐに「はい」と返事をした。ずっと一護が好きだったから。
ルキアの返事を聞いた白哉は、静かに語り始めた。
「お前が好きだと言うのなら、私は反対しない。ただ、ずっと『好き』というわけではないだろう?いつか『愛してる』と思う日が必ず来る」
白哉が何を言っているのかわからず、ルキアは首を傾げる。
「黒崎一護を『愛してる』と思った時、自分がどうしたいか、ちゃんと考えなさい」
白哉がそれだけ言うと、部屋から出て行った。ルキアはどうしていいかわからず、しばらく部屋で考え込んでしまった。
白哉に言われたことがずっと引っかかっているから、一護に対して曖昧な態度をとってしまう自分がイヤになる。ルキアは再び溜息をついた。
「好き」だけじゃダメなのだろうか?恋をしてるだけじゃダメなのだろうか?自分は今、恋をしているだけで幸せなのに………
ルキアがそう思った時だった。
「ルキア!」
ルキアは急いで振り返る。そこには息を切らせて立ち止まっている一護がいた。
「一護!?どうしたのだ?小島たちと一緒にゲーセンとやらに行ったのではなかったのか?」
ルキアは一護の側に駆け寄って尋ねる。すると一護はルキアに向かって微笑み、頭をポンポンと叩きながら言った。
「んー…やっぱりさ。俺、お前と一緒の方がいい」
言って一護は顔を真っ赤に染める。そんな一護を見て、ルキアもつられて顔が真っ赤になってしまった。
そしてルキアは思った。
私は一護が好きだ……………と。
ルキアは照れる一護の手を取ってギュッと握りしめた。
「私も…貴様と一緒がいい。だから、戻ってきてくれてありがとう」
「………ああ」
感謝されると思わなかった一護は、ルキアの言葉に少々驚いていた。しかし、すぐに嬉しそうに笑った。
ルキアはそのまま一護の手を引いて、再び歩き始めた。
兄様。私はまだ、「好き」と「愛してる」の違いがわかりません。
今の私は「恋」と「愛」の曖昧な境界線に立っているのだと思います。
自分がいつ、その境界線を越えられるかはわかりませんが、一護と一緒なら越えられる気がします。
恋と愛の境界線を越えた時、兄様に聞かれた質問に答えたいと思います。それまで待っててください。
でも、兄様。一つだけ。これだけは絶対に言えることがあります。
私は今、とても幸せです。
お題初挑戦で、挫折しました;;;
タイトルが高尚すぎて、おバカなワタクシにはこの程度の駄文しかできませんでした。
もう、なんか…意味不明。わけわかりません(爆)
でも、書いちゃったから開き直ってupします。ヤケクソです←オイ!
一応、兄様は一護を命がけで愛する覚悟はあるのか?とルキアに聞きたかったのです。
自分が緋真姉様を愛したみたいに。(白緋要素入れてます)
でも、ルキアはまだそこまで到達してないんだよ…という話を書きたかったのです。
それがなんだかワケのわからない文章になってしまったのです(・_・;)
…とここで駄文の説明をしてる私って………(滝汗)
もの凄い駄文で本当に申し訳ありません!!
up 07.10.25